高校数学のアクティブ・ラーニング実践例,解説書をお探しの方!うってつけの本を紹介します。
- 2016/12/09
- 23:20
こんにちは。こんばんは。
西川純編,土屋美浩・水野鉄也共著『すぐ実践できる!アクティブ・ラーニング高校数学』をご紹介します。
これからアクティブ・ラーニングを始めようかなと考えている先生!
ぜひご一読ください。
概要
第1章 アクティブ・ラーニングの授業ってどんなもの?
おおまかに,アクティブ・ラーニングについての説明があります。
アクティブ・ラーニングとは,ズバリ,部活のイメージ!
クラスが部員で,授業が部活動になると思えばよいとのことです。なるほど~
さらに著者は,アクティブ・ラーニングの基本的な考え方として,次の3つの視点を重視しているとのことです。
1つ目は,生徒たちは有能であるとする視点(生徒観)
2つ目は,教師の仕事は目標の設定,評価,環境の整備を行うことで,教授(生徒から見れば学習)は生徒に任せるとする視点(授業観)
3つ目は,学校は多様な人と折り合いをつけて自らの目標を達成する経験を通して,その有効性を実感し,より多くの人が自分の同僚であることを学ぶ場であるとする視点(学校観)
西川純編,土屋美浩・水野鉄也共著『すぐ実践できる!アクティブ・ラーニング高校数学』
この章は,本書のあらすじのような役割を担っています。
おおまかにアクティブ・ラーニングについてつかむことができ,2章以降で詳しい解説があるのでそこまで神経質に読む必要はない,そんな章です。
第2章 アクティブ・ラーニングが生徒と授業を変える! 事例編
この章では,水野先生,土屋先生のアクティブ・ラーニングとの出会いから,やってみてどうだったか,反省と改善,今どう考えているか,が紹介されています。
実際に現役で教壇に立っておられる先生の,貴重な足跡をたどることができます!
第3章 やってみよう! アクティブ・ラーニング 準備編
この章では,「課題」と「振り返り」の準備が紹介されています。
やはり,アクティブ・ラーニングの肝となる部分は「課題」であることがこの章の端々から分かります。
課題が適切に設定できれば,後は生徒に任せればよい,,,少し極端ですが,このような感じでとらえて差し支えなさそうです。
課題に取り組んでいる途中は,祭りのようなある種イベント的なテンションで進行します。
なので,最後に何をしたのか振り返ることは,きちんと定着させるために非常に重要です。
やはりプリントを用意して書いて記録するとしっかり定着するので,「振り返り」の準備も必要なようです。
アクティブ・ラーニングを実際に始めるときの,最初の山が「課題」と「振り返り」のための準備のようです。
第4章 はじめよう! アクティブ・ラーニング 授業編
アクティブ・ラーニングの授業とは,「生徒の自主性に任せる」ことなので,やってみなけりゃわからない部分が大いにあります。
ここでは,標準的な進行の仕方,問題が起きたときの解決法が紹介されています。
クラスによって,アクティブ・ラーニングの授業では予想もしないさまざまなことが起こるでしょう。
それぞれの問題に直面したとき,そのときどきで向き合う必要があります。
そんなとき,大体どんなことが起こるのか把握しておくことで落ち着いて対処できるかもしれません。
第5章 さらに効果を上げるための取り組みは? フォロー編
アクティブ・ラーニングでは,教え合うことでしっかり脳は動きますが,反復練習のために手を動かすことは減ります。
一斉授業とアクティブ・ラーニングはかなり違うので,今まであまり気にしなかったこともしっかりフォローする必要があるようです。
この章では,このようなアクティブ・ラーニングに移行した際の留意点が紹介されています。
第6章 困った時には? アクティブ・ラーニングQ&A
ここでは1~5章では紹介できなかった,個別の問題に対してQ&A方式で解決策が紹介されています。
【巻末】読書ガイド
この『すぐ実践できる!アクティブ・ラーニング高校数学』が,やってみようかなと考えておられる方の1冊目として最適だという直感があります。
本書を読んだ後,この読書ガイドで紹介されている本で,さらに気になるテーマを補強していくとよいのではないかと思います。
まとめ
この本は,1テーマ見開き2ページとなっており,隙間時間でもどんどん読み進めることができます。
私は学校の先生ではないのですが,「こうすればいいのか~」と何となくできる気がしてしまいました(笑)
少しでもアクティブ・ラーニングにご興味のある方にとっては,生きた情報が惜しげもなく公開されています!
ぜひ,ご一読くださいm(_ _)m
それでは~