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【高校数学】「新しい学力」の観点で,2017年センター試験はどうだった?

こんにちは。こんばんは。


現行のセンター試験は,2020年1月実施分が最後となります。
2020年度(2020年4月~2021年3月)に大学入試を受ける人から,新しい「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」を受験することになります。


これは,「新しい学力」を養成する一環で,高大接続改革と呼ばれる改革の一部です。
「詰め込み教育」から脱却して,「生きる力」を身に付けよう!という趣旨で,素晴らしい理念です。
しかし,現場レベルでは「うまく運用できるか?」という議論の真っただ中で,問題点を洗い出している段階です。


詳しくは次のカテゴリをご覧ください。
関連カテゴリ…アクティブ・ラーニング
      …2020年大学入試改革


または,斎藤孝先生の『新しい学力』をご覧いただくことをおススメします。
そもそも,「新しい学力」という言葉はこの本から拝借しました。


さて,「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」に焦点を絞ると,基本的には現行のセンター試験が土台になるようです。
いろいろな案は出ましたが,採点の労力を考えると大部分をマークシートにすることが現実的なようです。
現在は,国語と数学で記述式を採り入れる方向で調整されています。


また,複数回実施の案も検討中ですが,やはり採点の労力から当面は1回の実施となりそうです。
おそらく,現在のセンター試験と似たような時期に実施されるようになる模様です。


この記述式の問題については,予想問題が出てから対策を練るようにしてはどうかと思います。
おそらく,数学については特別な対策は必要ないものになると思います。
センターレベルの問題が単に記述式になるだけで,定期試験対策がそのまま記述式対策になっているからです。


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センター試験と「新しい学力」




やっと本題に入ります(笑)
当記事では,マークシート式で「新しい学力」をテストするとはどういうことか?
を考えてみたいと思います。


新しい学力とは?・・・学力の三要素


学力の3要素については,文部科学省が公開している
高大接続システム改革会議「最終報告」
に,詳しく載っています。
72ページもありますが,高大接続についての諸問題を詳しく知ることができます。
以下の文科省のサイトのページに,PDFデータが公開されているので,ご参照ください。
参照URL…http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/064/index.htm


学力の3要素を,高校数学に関連付けて説明すると以下のようになります。
・「知識,技能」…定理・公式が正確に使えて,計算が正確にできる力。基本的な問題が解ける力と言えます。
・「思考力,判断力,表現力」…複雑な問題に対して最適な解法の道筋を立て,論理的な解答が記述できる。難問が解ける力と言えます。
・「主体性,多様性,協働性」…自ら問題を見出だし解法を組み立てる。問題をさまざまな角度から見ることができる。これは新しい課題となるでしょう。


2017年センター試験で,新しい学力が問えそうな問題


マークシート式の問題では,「知識,技能」と「思考力,判断力」はテストできますが,それ以外は他の方法でテストすることが望ましいでしょう。
例えば,「表現力」は記述式テスト,「主体性,多様性,協働性」は面接やこれまで行った活動で評価することが自然だと思います。


ここでは,「知識,技能」,「思考力,判断力」が問えそうな問題をピックアップしてみます。
いわゆる,良問と呼ばれるものです。



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2017年1月実施センター試験 数学Ⅰ・A第4問

最後の問題は,2進法で末尾に0が並ぶ条件を考えるものでした。
あまり見かけない問題ですが,思考力が問える良問でした。


あと,特に目新しいということはないのですが,数学Ⅱ・B第3問の数列が,流れるような問題構成で良問でした。


2017年センター試験で,新しい学力が問えなさそうな問題


ここでは,「知識,技能」,「思考力,判断力」が問えなさそうな問題をピックアップしてみます。
必ずしも悪問というわけではありませんが,思考力,判断力がなくても解けるかもしれない問題です。


ただ,以下にあげるような問題をすべて排除していると,よく似た問題ばかりになるということも起こってきます。
また,出題意図が不十分であったりよくわからない問題に対しても,それなりに対応できることは実社会でも役に立ちます。
やはり理不尽なことはちょくちょく起こるので,それを適当に受け流すスキルは必要です。


新しい学力が問えなさそうな問題が必要なのか不要なのかはひとまず置いておいて^^;
以下に3つほど挙げます。
個人的には,極力減らした方がいいとは思うが,現実問題なくならないだろうな~と考えています。



2B-dai1mon[2]
2017年1月実施センター試験 数学Ⅱ・B第1問〔2〕

log22√6 の近似値を求める問題ですが,log22√6=1.5+0.5×log23
と変形でき,2~2.5の間の値ということから正解の⑥が選べます。


この方法で解いても学力がきちんと判定できないとは思いませんが,出題意図からするともう少し細かい選択肢,例えば2.1あたりを加えてもよかったかもしれません。



2B-dai2mon.jpg
2017年1月実施センター試験 数学Ⅱ・B第2問

これは,センター試験のあるあるですが,最大値または最小値を求める問題で,本来なら微分して極大・極小をとるxの候補が見つかって,実際に最大値を取るのはどれか増減表で確認する。。。
という作業が必要ですが,センター試験ではマークシートに埋まるxの値がそのまま答えとなる!
という裏技があります。


判断力を問う問題のはずですが,判断力がなくても解けるといえます。



2B-dai4mon.jpg
2017年1月実施センター試験 数学Ⅱ・B第4問

これは,個人的な意見ですが,点Hのとり方が不自然だと思いました。
かなり人工的に作った点です。「なぜ点Hの座標を考えるのか?」という疑問は謎のままです。
思考を停止して,ただ目の前の問題に答えれば得点できるという問題だと感じたので,新しい学力が問えなさそうな問題として挙げました。


上でも書きましたが,実社会でもよくわからない問題に対してそれなりに対応する場面は少なからずあるので,逆説的ですが,実戦的な問題ともいえます。




やはりマークシート式の問題は,採点作業の軽減化と引き換えに,思考力,判断力を正しく問うのは難しいですね^^;
その中でも良問はあるので,できれば良問の割合が増えてほしいな~と思います。
地道に勉強してきた受験生が,損をしないテストであってほしいと思います。




高校数学の勉強法としては,基本的にわからない箇所・疑問に思った箇所に対して,なぜそうなるか?と考え,1つ1つ解消していくことで「考える力」が身に付きます。
教科書や参考書を読んでもわからない場合は,先生などに積極的に聞きましょう。
逆に,わからない人に対してわかるように説明すると,説明した側の深い理解につながります。


実際には教えなくても,人に教えられるか?という観点で勉強するとしっかりとした「考える力」が身に付きます。
新テストは,2017年1月時点で中学2年生の人から受けることになります。


当サイトでも,教材・情報提供を行っていきます!
しっかりとした「新しい学力」を身に付けていきましょう^^



それでは~




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