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【読書日記】松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』を紹介します。【第4章~終章】

こんにちは。こんばんは。


当記事は,前回の記事の続きになります。
関連記事…【読書日記】松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』を紹介します。【序章~第3章】


いよいよディープラーニングが登場します。
第4章~終章では,
・「ディープラーニング」とは何か?
・ディープラーニングによって,人工知能(AI)は今後どうなるのか?
ということについて書かれています。


前回の記事でも書きましたが,人工知能(AI)の分かりやすい入門書です。
オススメです!



それでは,本書のメインパートである後半の中身を見ていきましょう~


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第4章 「機械学習」の静かな広がり-第3次AIブーム①




この章では,機械学習とは何かについて書かれています。
学習とは「分けること」,すなわち「イエスかノーで答えること」です。


あるものを見たとき,それが食べられるかどうか。
あるものが,ケーキなのか,お寿司なのか,うどんなのか。
これらは「イエス・ノー問題」です。


分けるときに大事なことは,どの特徴に注目するかということです。
上手く分けるためにはトライ&エラーの繰り返しです。
特徴を取り出すことの精度を上げることが,機械学習でした。



いままで人工知能が実現しなかったのは,「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」に関して,人間の手を借りなければならなかったからだ。


松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』

コンピュータが「特徴を取り出せる」ようになってきたことが,50年来のブレークスルーである「ディープラーニング」です。
食べられるかどうかが,大量のデータをコンピュータに入れるだけで判断できるようになってきたのです!
驚きですね。「ディープラーニング」の詳細は次の章になります。




第5章 静寂を破る「ディープラーニング」-第3次AIブーム②





2012年,人工知能研究の世界に衝撃が走った。
世界的な画像認識のコンペティション「ILSVRC(Imagenet Large Scale Visual Recognition Challenge)」で,東京大学,オックスフォード大学,独イェーナ大学,ゼロックスなど名だたる研究機関が開発した人工知能を抑えて,初参加のカナダのトロント大学が開発したSuper Visionが圧倒的な勝利を飾ったのだ。


(中略)


何がトロント大学に勝利をもたらしたのか。
その勝因は同大学教授ジェフリー・ヒントン氏が中心になって開発した新しい機械学習の方法「ディープラーニング(深層学習)」だった。


松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』

5章は,このように始まります。
そしてディープラーニングの仕組みの説明に入っていきますが,詳しくは本書をご覧ください^^;
文字通り「ディープに(深く)」学習することがポイントのようです。


大量のデータをコンピュータに入れると,コンピュータ自身がそのデータは何かを判断することができる。
正確には,このような技術ができつつある。
この技術ははたしてどのような意味を持つのか?
6章に続きます。




第6章 人工知能は人間を超えるか-ディープラーニングの先にあるもの




いよいよ,ディープラーニングのその先です。
ディープラーニングとは,大量のデータから「勝手に」特徴をみつけることでした。
いったん特徴をみつけると,そのものかどうか,例えばネコの特徴をみつければネコかどうか判断できるようになります。


これは,いわばコンピュータが視覚を獲得したといえます。
たくさんのものを見て,「あれは鳥だ。あれは飛行機だ。」と分かるようになったといえます。


この先は,視覚からの拡張です。
詳しくは本書を読んでいただきたいのですが,人間が概念を獲得する流れを似ています。
見て,聞いて,触って,より深く世界を理解していくことになります。
個人的には,この章が一番面白かったです^^


ここに至り,人間のような概念を獲得すれば,言語を獲得できるようになり,知識が獲得できる。。。
このような人工知能が存在する社会はどのようなものでしょうか?


人間は,人工知能に征服されてしまうのでしょうか?
著者の答えは「それはほぼない」というものです。
ディープラーニングでできることは特徴をみつけることであって,データを入れるのは人間です。


とはいえ,コンピュータは人間には想像もできないくらいのデータが処理できます。
どのように進化するのか,明言はできないでしょうね。
著者は,「知識を獲得することと人間を征服したいと考えることは,天と地ほど距離が離れている。」と述べています。


さて,終章では社会への影響が書かれています。
段階を経て人工知能のできることが増えていきますが,それに伴って産業への波及効果が考えられます。
ではでは,終章を見てみましょう~




終章 変わりゆく世界-産業・社会への影響と戦略




終章では,まず概念の獲得に伴いできること・社会への影響が書かれています。
画像解析が発達することで,防犯・監視に利用されます。
そして,例えば自動運転,翻訳などにも利用されます。


また,コンテンツの作成もできるようになるでしょう。
より高い教育を,コンピュータが提供してくれるようになるかもしれません。


当然の流れとして,なくなる職業というものがあります。
詳しくは本書をご覧ください。
知識を持ったコンピュータに任せられる職業がなくなっていきます。


最後に,人工知能をリードする著者によって,日本の進むべき道について書かれています。
今は,アメリカやカナダが一歩リードしている状況です。
産業への波及効果は計り知れないので,遅れをとるわけにはいきません。


日本もまったく歯が立たないわけではなく,人材は豊富だそうです。
この本を多くの学生さんが読み,さらに日本の人工知能分野を発展させていただきたいと思います。




以上で,松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』の紹介を終わります。
・人工知能の研究の歴史
・機械学習とは
・ディープラーニングの仕組み
・ディープラーニングの先にあるもの
・今後の社会・産業への影響
についての濃密な一冊でした。


大まかにでも,人工知能についての現状を知ると,
「やがて人工知能に征服されるのか?」
という不安は軽減されると思います。
興味のある方は,是非ご一読ください!


それでは~


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