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【読書日記】松尾豊・塩野誠著『人工知能はなぜ未来を変えるのか』を紹介します。【プロローグ~チャプター3】

こんにちは。こんばんは。


対談形式の本である,松尾豊・塩野誠著『人工知能はなぜ未来を変えるのか』を紹介します。
人工知能学者の松尾豊准教授(東大!)にビジネス戦略化の塩野誠氏が質問をするという形式で対談が進みます。
私は最近,人工知能関連の本を読み漁っているので,ある程度知識のある状態だと思います。
そういう状態で本書を読むと,,,とても面白かったです!


対談形式なので,テンポよく読むことができます。
最初の1冊として読んでも,肩肘張らずに読めるところがいいかもしれません^^
私が得た人工知能の知識も,単行本・文庫本を読んだものなのでものすごく理解しているわけではありません。


…なので,本書が単純に面白いのかもしれません。
先日,松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』を読んだばかりなので,松尾准教授の本は2冊目になります。
関連記事…【読書日記】松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』を紹介します。【序章~第3章】
    …【読書日記】松尾豊著『人工知能は人間を超えるか』を紹介します。【第4章~終章】


本書も松尾先生の切れ味鋭い物言いに魅了された!
というわけでは必ずしもありません^^;
どちらかというと,塩野氏の質問がかゆい所に手が届く感じで,どんどん読み進めることができました。


人工知能に興味のある人のとりあえず知りたいことは,全部触れられているでしょう。
気楽に読めるという意味では,希少な1冊です!



本書は,プロローグ,チャプター1~5,エピローグの全7章構成となっています。
当記事では,プロローグ~チャプター3についての紹介を書き,次の記事でチャプター4~エピローグの紹介を書きます。
チャプター3までは人工知能の基礎知識,チャプター4以降はざっくばらんに人工知能について語るという感じに分かれています。




それでは,中身を見ていきましょう~


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プロローグ えっ,人工知能ってそんなことまでできるの!?




人工知能とはどんなものか?
どのような仕組みになっているのか?
というところから始まります。


塩野氏の質問に松尾氏が応えるという形式で,テンポよく進みます。
具体例もたくさん出て,身近な事例として考えることができます。
これは,本書全体を通してそうです。塩野氏のテンポのよい質問が本書をとても面白く・読みやすいものにしています。


計算やたくさんのデータを整理することに関していえば,人間は機械に負けています。
人工知能の性能が上がることは松尾先生も認めるところで,あとはこれから爆発的に進歩するのか,緩やかに進歩するのか?
未知な部分といえばそれくらいです。


このような状況を迎えるにあたり,人間の役割とは何か?
ということに焦点を当てて,プロローグは終わります。
人工知能はどのようなことができて,人間が人工知能に負けないところはどこか?
チャプター1に続きます。




チャプター1 ウェブとビッグデータ,人工知能 ~人工知能の怖さ~




人工知能が発達すると,人間では考えもつかないようなことが起こる可能性があります。
それがサブタイトルにもある~人工知能の怖さ~です。



MATSUO
これも映画にあった話ですが,ある人が犯罪を起こす確率が高いとわかったとき,どうすればいいのか。
逮捕してしまうか,それとも罪を犯すまでは手を下してはいけないのか?
ここは社会で合意をとっていくべきでしょう。
機械の予測精度が上がって分かること,そして社会全体で考えなければならないことは,これからたくさん出てくると思います。


松尾豊・塩野誠著『人工知能はなぜ未来を変えるのか』

文字通り,人智を超えたレベルの問題ですよね。
予測精度はどんどん上がっていくことは間違いないでしょう。
一方,クリエイティブなことにはまだ苦戦しているようです。
人間の脳がどのように物事を考えているのか? これの再現がかなり難しいようです。



SHIONO
聞けば聞くほど,人工知能の話とは,人間の脳の仕組みや思考について考えることと重なるような気がします。


MATSUO
この分野を研究していると,人間の脳は本当によくできていると実感します。
いまでも驚きの連続ですよ。


松尾豊・塩野誠著『人工知能はなぜ未来を変えるのか』

人工知能の得意なこと・不得意なことを整理したのがチャプター1です。




チャプター2 政治も経済も,国境すらも変わる ~近い将来,国はなくなるか?~




人工知能の開発には,膨大なデータが必要です。
チャプター2は,データにまつわる話が展開します。


前半は,株価の予測をテーマとした人工知能の進歩,利用法が話されています。
データが多くあれば,予測精度が上がるのはある意味当然だと思いますが,データが少ない中でどのように予測するのかがポイントのようです。


後半は,政治経済,政策の話にシフトします。
政策によって国はどうなったか,ということはデータがとりやすいですよね。
その話の流れで,未来の”国”の在り方について,ざっくばらんな議論が読めます。


チャプター2は,対談がポンポン進むので,この本らしさ全開のチャプターといえます。
人工知能の進歩は社会の変化に直結します。
この先どのような社会になるのか? 対談を聞いているような感じでスイスイ読むことができます。




チャプター3 ヒトと人工知能 ~人の「意思」は作り出せるか?~




チャプター2ではデータに着目しましたが,チャプター3では人間の脳に着目します。
・脳を分子レベルでコピーすると,脳として機能するか?
・意思とは何か?自分とは何か?
・意思を持つ人工知能を作れるか?


前半は,考えるとは何か?ということについて,議論されています。
人工知能倫理委員会というものができ,松尾先生はその倫理委員長を務めているそうです。
人工知能の性能が飛躍的に進歩したとき,どうなるのか? 一抹の不安がありますよね^^;


意思はどこから来ているのか?
完全に突き止めたわけではないですが,単に機械学習で性能を上げるだけでは意思は持たないだろうとのことです。
人間は生物なので,生きたい,死にたくない,子孫を残したいという欲求が意思につながるのですが,人工知能ではそれがないだろうとのことです。


後半では,「飽きる」ことについて触れています。



SHIONO
ときどき,「あの人はコンピューターみたい」といった言い方をしますよね。
とくに理系の方に多いと思うのですが,ルールドリブンで物事に取り組み,抽象化能力より計算能力に寄っているような人,そんな感じがする人がいます。


MATSUO
同じことをずっとやり続けるとか,異常なほど正確に続けるとか,そうした能力が高い人,コンピューターのような人は確かにいます。
抽象化能力があると,だんだん工夫をしていったり,飽きてしまってやめたりっていうケースが増えます。
こっちのほうが抽象的な思考といいますか,メタな思考をしていることになりますね。


SHIONO
人間は飽きますからね。


(中略)


MATSUO
ロボットでも人間でもそうですが,周りの地形を知らなければ,最初は調べなければなりません。
旅行に行って何日か滞在するとしたらレストランを開拓しますよね。
どのレストランが美味しいとかが分かってくると,今度はそこへもう一回行くかどうかの段階に入ってきます。
美味しい店にもう一度行くと確実に良い料理が味わえますが,もしかしたらもっとうまい店があるかもしれない。
その可能性は捨てているわけです。


SHIONO
同じことを繰り返していると,満足度というか効用が落ちてくるとは思います。


松尾豊・塩野誠著『人工知能はなぜ未来を変えるのか』

チャプター3は,最も身近で,最も不思議な脳についての対談です。
人工知能の研究には,工学,統計学に加え,生理学,心理学などさまざまな要素が必要なことが分かりますね。




以上で,プロローグ~チャプター3までの紹介を終わります。
対談形式なので,スムーズに読み進められると思います。
特に,何となく人工知能についての知識がある人にとっては,まさに”聞く”ように読めることでしょう。


チャプター4以降は次の記事で書きます。
進歩した人工知能とどのように付き合っていくか,さらに突っ込んだ議論が満載です!
お楽しみに~


それでは~


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