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深沢真太郎著『数学的コミュニケーション入門』を紹介します。

こんにちは。こんばんは。


数学を勉強すると,相手に納得してもらえるような説明ができるようになります。


唐突に上のようなことを言われて,どのように感じたでしょうか。
「そうだと思ってた!」
「まさか~。数学と説明って,全然関係ないじゃん(笑)」
いろいろな反応が予想されます。


書名に「コミュニケーション」とありますが,本書は伝え方に焦点を当てた内容です。
・数字を交えて説明する
・論理的に説明する
このような説明を聞くと,納得しやすいとのことです。


このように言われてみると,数学と説明はそれなりに関係がありそうです。
「人と話をするのは好きなんだけど,説明するとなると長くなったりして上手くいかないときがあるんだよな~^^;」
と,日ごろから思っている人には,本書を強くおススメします。
その悩み,解決しますよ!


また,「自分は理系だから,人に説明するのとか苦手なんだよな~(泣)」
と思っている人にも,おススメします。
理系脳は,説明に向いています!


それでは,内容を見てみましょう~




説明に数字を盛り込む




ちょっとした待ち時間の長さなどを知りたいとき,まったく的外れな数字を伝えられると困ってしまいますね^^;
だからといって,「わかりかねます。」と言われるのも,困りますね。知りたいから聞いているのですから。
きっちりと正確な時間などが知りたいのではなく,ざっくりと教えてくれれば今後の見通しに役に立ちます。
これはワガママな願望でしょうか。


このようなことは,誰もがもっている願望です。
逆に,このような質問に的確にこれに答えられると,それはその人の強みになります。
「あの人に聞けば,ざっくりと教えてもらえる。」となり,必要な人材としての地位が築けるでしょう。


大体の規模感がわかれば,進めるか撤退するか判断できます。
冒頭にもあるように,まったく的外れな数値だと教えた人が困ってしまいます。
困るどころか,「全然違うじゃないか!」と反感を買ってしまうかもしれません。


「わかりかねます。」は,次善の策ではありますが,一番悪い選択肢ではありません。
一番悪いのは,誤った情報を伝えることです。


では,大体の規模感を伝えるためにはどうすればよいでしょうか?
・・・・・・
残念ながら,特効薬はありませんorz


それは,習慣です。
毎日息をするように,量になっていないものを量にする訓練をして,徐々に数値化ができるようになるとのことです。


本書の第1章では
・数値化する方法
・スキマ時間の有効活用法
が書かれています。


数値化するセンスを磨くためのテーマが挙げられているので紹介します。



・今日,プロポーズする日本人男性は何人か。
・いま自分の髪の毛は何本あるか。
・人が一生かけて飲む水分と琵琶湖の水量はどちらが多いか。


深沢真太郎著『数学的コミュニケーション入門』p.60

ソース不明で,細かいところは記憶があやふやなのですが,ある高校生が先生に伝えた数学の問題の不備を紹介します。


数学Ⅱの指数関数・対数関数の分野で,最初は1個体のバクテリアが,〇分後に2個体に分裂し,さらに○○分後にその2個体がそれぞれ分裂して4個体になる。
1億個体を超えるのは何時間後か? といったタイプの問題がありますね。
そのタイプの問題で
「最初1個体のバクテリアが1分後にそれぞれ分裂し2倍の2個体になる。1時間後には何個体になっているか。次から選べ。」
のような問題があったそうです。
そこで一人の生徒が,数学の問題は完ぺきに解いたうえで,
「先生,このバクテリアがもっとも小さいサイズのものであったとしても,最大サイズのビーカーでも1時間後の個体数は入りきらないです。それどころか,建物も壊れてしまうかもしれません。」
と言ったそうです。
実際に先生も1時間後のバクテリアの個体数がどれくらいの体積になるか計算したところ,この生徒が言うようにとてもビーカーに収まるような体積ではなかったそうです。
この生徒は,のちに東大に進学したそうです。


規模感をつかむための訓練は,地頭をよくする訓練にもなるのでしょう。
東大に合格した生徒さんは,自然にどんなことも数値化する習慣が身に付いていたのでしょうね。
数学の問題の細かい設定を忘れてしまいましたが,バクテリア(微生物)の体積がとても大きくなるということと,その生徒さんが東大に進学したことは確かです。


最初は雲をつかむような感じで,手応えが得にくいかもしれませんが,「多い,少ない」ではなく,なるべく数値化してみましょう。
習慣化すれば,精度が上がってきます。
そして,数値化できることは強力な武器となります。


千里の道も一歩から!
今から始めてみましょう~^^


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論理的な説明




次は論理です。
説明に数字を盛り込むと判断しやすくなる,という話を上でしました。
ここでは理解しやすい説明について考えてみます。


上手い説明というのは,淀みなく話がスッと流れていきます。
逆に説明を聞いていて,わからないことや疑問に思うことがでてくると,途端に説明が頭に入ってこなくなりませんか。


本書では,説明を「数学的」に組み立てると,論理の飛躍が起こらず淀みのない説明ができる!
ということが述べられています。
具体的な数学の話は出てこないのでご安心ください^^;


要約すると
・冒頭で「定義」と「ゴール」を定める
・話を→(やじるし)でつなげる
ということになります。


これから何を説明するのかを伝えて,途中に論理の飛躍がなければ,その説明は分かりやすい説明といえます。
それは,数学の教科書がお手本になるとのことです。
数学の教科書にあまりいい思い出がない人が多いかもしれませんが,実は分かりやすく書かれています。


または,授業が分かりやすかった・面白かった数学の先生が,分かりやすい説明のお手本になるそうです。
分かりにくいことを分かりやすく伝えられたら,どんなこともうまく説明ができるでしょうね。


同じニュアンスですが,中学生でも理解できる説明というのが,分かりやすい説明とのことです。
著者は講演ごとにアンケートをとるそうですが,「丁寧すぎて退屈だった。。。」という感想はほとんどないそうです。
つまり,丁寧過ぎるということはなく,丁寧であればあるほどよいとのことです。


そこで目安になるのが,義務教育を受けた中学生でも分かるかどうかです。
丁寧に説明しすぎると「バカにしているのか」と怒られるかもしれないと心配になりますが,そんなことはなく,丁寧で分かりやすかったと思ってもらえるとのことです。


講演後のアンケートで「丁寧でわかりやすかった」というコメントが多い著者の,分かりやすく説明するノウハウが惜しみなく紹介されていますので,詳しくは本書をご覧ください。




最後に




「数学を勉強すると,相手に納得してもらえるような説明ができるようになる。」
ということについて,納得いただけたでしょうか。


ポイントは
・数値化すること
・論理的な説明
です。


相手に商品やサービスを紹介するとき,交渉でこちらの要望を通したいときに役立つ内容です。
本書の内容を少し加えれば,うまくいくかも?!
「説明」することに問題意識を持っている人は,是非ご一読ください!


それでは~


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